サーバーやネットワークにトラブルが生じたときは、障害対応の業務フローに沿って適切に作業を進める必要があります。トラブルが生じないように、日頃から対策を講じることも大切です。ここでは、障害対応の流れや必要なスキル、障害を未然に防ぐ方法などを解説します。
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障害対応とは?主な仕事内容
障害対応とは、サーバーやネットワークトラブル発生時の原因究明と復旧作業を指します。
サーバーやネットワークの運用管理やメンテナンスを行うのが、運用保守システムエンジニアと呼ばれる技術者たちです。一般的には、システムの最適化を担う運営システムエンジニアと、障害対応を担う保守システムエンジニアに分けられます。
しかし、上記の区分は明確ではないため、就業する企業によっては1人で両方の業務に携わる場合もあるでしょう。
運用保守システムエンジニアの仕事内容である、運営管理と障害対応について詳しく解説します。
サーバーやネットワークの運用管理を行う
業務内容の1つ目は運用に関わる仕事です。サーバーやネットワークの運営において、重要なのはそもそもトラブルを発生させないことです。
トラブルを未然に防ぐために、デバイスの管理はもちろん、セキュリティー対策の強化、Webアプリケーションなどの性能管理を行います。
障害が発生しないようにシステムを最適化することが運用管理の重要な仕事です。
トラブルが起きたときに復旧作業を行う
適切な運用管理が行われていたとしても、システムやネットワークのトラブルが免れないケースもあるでしょう。問題が発生してしまった場合に、迅速な復旧作業を行うのが2つ目の保守の仕事です。
原因究明を行い速やかな復旧を目指して、障害対応を行います。保守の仕事は、決して目立つ仕事ではありませんが、システム維持のためには欠かせない業務だといえるでしょう。
さまざまなトラブルに対応しなければならないため、障害対応にあたるエンジニアにはソフトからハードまで広い知識が必要とされるのが特徴です。
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障害対応の業務フロー
トラブルが発生してしまった場合に備えて、事前に障害対応の業務フローを確認しておくと安心です。今回は、障害対応フローを5つの段階に分けてご紹介します。
- 影響範囲を確認する
- 各部署に連絡する
- 障害原因の切り分ける
- 復旧作業を行う
- 障害の防止対策を行う
スムーズな障害対応には、事前の確認や準備が欠かせません。ご紹介する業務フローをご自身の組織で活用してみてください。
1.影響範囲を確認する
問題の発生を確認したら、まず行わなければならないのが障害の影響範囲の確認です。
障害が発生する際には、単一の原因が元になっているのではなく、複数の要因が複雑に絡み合っている場合が多いです。障害が起きている箇所のみならず、周辺部でも問題がないか確認しましょう。
データベースやサーバーへの接続が妨害されている場合は、外部向けのサービス提供に問題がないかも優先的にチェックしておく必要があります。
2.各部署に連絡する
障害範囲が特定できたら、次は関連部署への情報共有を行います。特にサービス提供に影響が出ている場合は、顧客への通知など迅速な対応が求められるケースも多く、関連部署への確実な情報共有が必須です。
また、復旧に時間を要する大きな障害の場合は、細やかな情報共有を行いながら、いち早く通常業務への復帰を目指します。
障害レベルと取るべき対応を予めマニュアルとしてまとめておくと、トラブル発生時の情報共有も円滑に行えるでしょう。
例えば、サービスを停止して対応にあたらなくてはいけないレベルの障害と、サービスには影響がなく修復後に通知をする程度で問題のないレベルの障害では、取るべき対応が異なります。
いざという時に焦らなくてもよいように、障害レベル別の対応マニュアルは、全てのユーザーに対して事前に共有しておく必要があります。
3.障害原因を切り分ける
各部署への連絡が完了したら、障害が起きた原因を切り分ける作業に入ります。サーバー障害の切り分けは、一般的に下層であるサーバーから上層のサービスの順に確認します。
トラブルがユーザーの操作ミスなど人為的な原因で発生したのか、特に理由もなく起こってしまったのかを見極めることが重要です。
人為的なミスで発生してしまった場合は、詳しい操作状況を確認する必要があるでしょう。当事者の責任感や焦りから、なかなか詳しい情報が聞き出せないことも考えられます。
しかし、ここでいかに的確な情報収集ができるかで、次の復旧作業がスムーズに行えるかが決まってきます。保守システムエンジニアのコミュニケーション能力が試される場面だともいえるでしょう。
4.復旧作業を行う
復旧作業に求められるのは、スピード力です。システムやサーバーの異常で企業の活動が止まってしまっている場合には、少しでも早く通常業務に戻れるように作業を完了させなければいけません。
ひとまず業務が再開できる最低限の応急処置を施すか、回復が難しい場合は代替手段の確保をする必要があるでしょう。
復旧作業の目途がついたら、ユーザーに完全復旧までの対応や代替ツールの使い方などを情報共有します。
5.障害の防止対策を行う
障害対応の最終目標は、今後同じ問題が発生しないようにすることです。トラブルへの対処が完了したら、再発防止策を施すのを忘れないようにしましょう。
サービスを安定的に提供するためには、障害の根本的な原因を取り除く恒久対策を取る必要があります。将来的なリスクに備えて、充分な時間をかけ、必要となる対策内容を選定していく姿勢が求められます。
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障害対応に必要な2つのスキル
システムの安定した運営に欠かせない障害対応の仕事に必要な2つのスキルは、コミュニケーション能力とネットワークに関する知識です。
運用保守システムエンジニアは、各部門と連携を取りながら仕事を進める必要があるため、コミュニケーションスキルが求められます。
また、考えられる多くのトラブルに対処するためには、ネットワークに関する深い知識が欠かせません。
障害対応に必要となる2つのスキルについて解説します。
1.コミュニケーション能力
エンジニアと聞くと、黙々と仕事をしているイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれません。しかし、実際には障害発生時に迅速な復旧対応をするには、各部門と円滑にコミュニケーションを取れる能力が欠かせません。
また、トラブルの原因究明をする場合にも、ユーザーへのヒアリングを通して、落ち着いて状況把握をする必要があります。
関係部署との信頼関係が築けていれば、障害対応にあたる際もスムーズに進められるでしょう。
2.ネットワークに関する深い知識
障害対応に取り組むためには、ネットワークに関する知識を活かして、考えられる状況や原因を想定する必要があります。
1つのトラブルに対しても、原因が外部にある場合と内部にある場合、または両方の場合などあらゆるケースを想定して作業を進めます。
障害対応の原因究明や防止対策の整備に、ネットワークに関する深い知識が求められるでしょう。
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障害を未然に防ぐ3つの対策
障害対応を迅速に行うのと合わせて、障害自体を未然に防ぐ取り組みも重要です。トラブル防止のための3つの対策をご紹介します。
- 障害に備えて専用サーバーを用意する
- 運用監視システムを導入する
- クラウドサービスを活用する
トラブルが発生してしまってからでは、障害対応が遅れ、思わぬ被害が拡大してしまう可能性もあります。安定したサーバー、ネットワーク運用には、事前の対策が欠かせません。
1.障害に備えて専用サーバーを用意する
障害発生時に備えて、事前に専用サーバーを準備しておくことも有効な手段です。こうした対応は、サーバーの冗長化とも呼ばれ、緊急時の柔軟な対応を可能にします。
専用サーバーの設置は、システム障害だけではなく、自然災害が発生した場合にも迅速に対応できるというメリットがあります。
緊急時の被害拡大を最小限に抑えるために、サーバーの冗長化を検討してみましょう。
2.運用監視システムを導入する
2つ目の対策は、サーバーの監視をする運用監視システムの導入です。運用監視システムには、主に次の3つのタイプが挙げられます。
- 死活監視:信号を発信し、応答の正常性を確認
- トラフィック監視:トラフィック量を確認し、ネットワーク帯域を制限
- ハードウェア監視:サーバーの物理的な障害を検知し通知
サーバー運用監視システムの導入により、24時間体制で監視が行えるため、障害を未然に防げる可能性も高まります。担当者の負担を軽減する目的でも有効でしょう。
3.クラウドサービスを活用する
最後にご紹介する対策方法は、クラウドサービスの利用です。クラウドサービスとは、インターネットを介して、サービス提供者が運営するリソースや機能を利用できる仕組みを指します。
ユーザー側でスペースを拡張せずとも、複数の仮想サーバーを管理できるのがクラウドサービスを活用する利点です。
他にも、クラウドサービスを使って得られるメリットとして、どこからでもサービスにアクセスできる点や、メンテナンスが必要ない点が挙げられます。
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障害対応はアウトソーシングが便利
障害対応にあたるエンジニアには、コミュニケーション能力とネットワークに関する豊富な知識が求められるとご紹介しました。
規模が大きくない会社の場合は、万が一の場合に備えて、こうしたスキルを持った保守エンジニアを配置しておくことは、簡単ではないでしょう。
そこで有効になるのが、障害対応のアウトソーシングです。障害対応をアウトソーシングするメリットは次の2つです。
- 必要なスキルを持ったエンジニアが即応できる
- 自社のヒューマンリソースに応じた対応ができる
検討する価値がある障害対応のアウトソーシングについて、詳しく解説していきます。
必要なスキルを持ったエンジニアが即応できる
障害対応をスムーズに行うためには、業務にあたる保守システムエンジニアの経験が欠かせません。スキルの高いエンジニアを確実に確保できるという点は、アウトソーシングの強みだといえるでしょう。
社員として保守システムエンジニアを配置する場合は、経験のある技術者を中途採用するか、新人教育をして一人前のエンジニアに育て上げなければいけません。
一方、障害対応をアウトソーシングする場合には、社員の採用や教育に割く労力が必要なくなります。
必要な時に、必要なスキルを持ったエンジニアに対応を任せられるのが、障害対応をアウトソーシングする1つ目のメリットです。
自社のヒューマンリソースに応じた対応ができる
2つ目のメリットは、自社のヒューマンリソースに応じた業務依頼が可能である点です。例えば、迅速な対応が求められる原因の切り分け作業を外注し、それ以降の復旧や防止対策の立案などは、社内で行うことも可能です。
障害対応をアウトソーシングする場合でも、業務によっては事情をよく理解している社内のエンジニアが対応したほうが効率がよい部分もあるかもしれません。
全体の作業効率とヒューマンリソースを考えた上で、業務を区切っての依頼が可能な点もアウトソーシングする利点です。
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障害対応をアウトソーシングして万一のときに備えよう
障害対応とは、サーバーやネットワークにトラブルが生じた場合に行う、原因の調査や復旧作業、防止対策の立案などを指します。
一般的には、サーバーの安定的な運用をサポートする運用システムエンジニアと、障害対応を専門に行う保守システムエンジニアに分けられます。しかし、実際には運営保守エンジニアとして、運営と保守の両方に携わる場合も多いようです。
トラブルが発生した場合は、フローに基づいた落ち着いた行動が求められます。ご紹介した作業手順を確認し、実際のトラブルが起きた場合を想定して障害レベル別の対応を決めておくと安心です。
障害対応をこなすエンジニアには、高いコミュニケーションスキルと専門知識が求められます。社内で保守エンジニアを確保するのが難しい場合は、アウトソーシングを上手く活用してトラブルに備えるのも良いでしょう。
障害対応を確実かつ迅速に行うことも重要ですが、防止策を整えておくことも欠かせません。緊急時の被害を最小限に抑えるためにも、普段から危機意識を持って対策を取っておく必要があります。
社内での障害対応にお困りの際は、弊社までお問合せください。専門家の力を借りて対策を取ることは、スムーズな障害対応を行うのに効果的です。