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サポート事例:マイクロソフトのアカウントがごちゃごちゃになってしまった件の整理

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サポート事例:マイクロソフトのアカウントがごちゃごちゃになってしまった件の整理

今回のサポート事例では某デザイン会社様から以下のようなケースのお問い合わせをいただきました。

  • 現時点では買い切りのOfficeやサブスクのOfficeなどが混在しておりPCによってマチマチ
  • 職場アカウントや個人アカウントなどがごちゃごちゃになっているので整理したい
  • 法人としてMicrosoft365の設定に悩んでいる

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悩ましいMicrosoftのアカウント・ライセンス管理

Microsoftのライセンスは複雑というよりは非常にわかりにくく、またかなり仕組みを頻繁に変えてくるため、ITの管理をしている部門にとっては大きな悩みの種と言えます。Microsoftのビジネスモデルとして法人のスモールスタートはあまり考慮されていないことや、小規模であれば個人ライセンスを買ったほうが短期的にはコストが抑えられるといった点も、管理を厄介にさせています。

実際のアドバイスと作業内容

今回お問い合わせをいただいたケースでも、弊社からは以下のようにアドバイスを行い、そして実際に作業を行いました。

  • Windows11 Proで揃えていただく(Windows11 Homeは有償のOSアップグレード)
  • Microsoft365のドメイン設定(EntraIDの構築)を行っていただく
  • 従来使用していたMicrosoftライセンスは法人用で揃えていただく
  • データはアカウントの種類問わず、OneDrive保存のファイルは一時的にすべて別箇所へバックアップいただく(移行による消失を防ぐため)
  • 社内PCは法人Microsoftライセンスで再セットアップいただく
  • 従来使用していたMicrosoftアカウント(個人用など)で購入したMicrosoft365や永続版Office(Office2019,2022など)を使用しないようにしていただく

カオスなライセンスを整理するために、手間や費用が不可避

ある程度の規模でMicrosoft製品を使うのであれば、法人一括契約を行ったほうが長期的には無駄がなくなります。法人一括契約を始めるほとんどの場合「従来の環境や資産を極力生かす」ことはできず、「費用や期間をかけて一新する」ことが求められます。

費用対効果を生み出しにくく、改善せずそのままとなる場合も…

Microsoftアカウントを整理したいという要望をおもちになり、弊社へご相談いただくケースはありますが、正しく整理するためにはかなり大掛かりな対応(と見積)となります。

また、導入するタイミングによっては、その時点でまだ使えたはずのいくつかの投資が無駄になってしまうケースがあります。例えば、1年間のMicrosoftサブスクリプションを購入したのに、それを使い切る前に使用停止しなければならない、等があります。

こういったライセンス整理のご用命を受け、弊社でお見積りを出させていただくケースがあります。

しかし、ここまで規模の大きな入替や工数が発生することを想定されていないケースが多く、結果として現状維持をご判断されるケースも少なくありません。

このような状態になってしまうことは、皆様のIT環境のこれまでの構築方法に不備があったというわけでは必ずしもなく、Microsoft側が法人のスモールスタートに適切な導線を提供していないことにあるといえます。Microsoft以外の選択肢が豊富にあればよいのですが、実際はそうはならず、例えばGoogle WorkspaceやOpenOfficeに乗り換えるとしたら、さらに大きな(業務手順や業務フロー変更含む、全社的なIT運用の改革を伴う)負担が発生します。

「単に法人アカウントへ切り替えるだけで終わるのでは?」といった内容ではなく、そのために必要な多くの下準備や作業が発生します。成長企業が乗り越えるために不可避なハードルの一つに、「IT資産の整理」がある、というくらい重たい作業となることを、ご承知いただければと思います。

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「計画的」に行うことで、ライセンス切り替えの負担を減らす

PC作業イメージ画像

規模の小さな組織やプロジェクトは、コストも潤沢に使えるわけではないので、あくまで仕事道具に過ぎないPCやソフトウェアに、できるだけコストを削減する方向に向かいがちです。その考え方自体は決して悪い事ではないのですが、Microsoft製品を続けて使っていく上では、早い段階で法人ライセンスを導入するほうがメリットがあります

取り組みは早ければ早いほうが良いのですが、この事に気づくためには、ITに詳しい担当者や専任者が就いてからのケースが多いです。

人材不足と人件費の面から、IT専任の担当者を置くことも難しい状況の場合もありますし、自社でそのような人材の確保することも難しく、さらにMicrosoftのライセンスは難解な部分もあるので、専任のIT担当者であっても苦労するケースさえあります。

これらの負担や苦労をゼロにすることは難しいですが、できるだけ軽減することができる方法があります。それが「計画的にすすめる」ことです。

計画的に進めることで、目の前の”安さ”に安易に手を出さない

MicrosoftライセンスやPC資産は、業務遂行に必要ですが、できることなら安く調達したいと考えたくなるのは理解できます。さらに、こういったIT資産は、不定期に、キャンペーンや在庫処分のための安売りを行うことがあるので、無計画に飛びついてしまいたくなることがあります。

短期的にはコスト削減メリットがあったとしても、こういった行き当たりばったりの導入によって、その後ツケがきてしまうことを頭の片隅に置いていただく必要があります。

目の前の安さに流されることなく、計画に基づいた導入を地道に行っていれば、いざIT資産の大幅な見直しや入替が必要となっても、手間や無駄を最小限に抑えられる可能性があります。ここでは、いくつか考慮すべきポイントを記載します。

PC資産・ライセンスは、人員計画・事業計画に基づき周期的に購入

PCやライセンスの導入は、原則的には人員計画、つまり事業計画に基づきます。急な退職はありえますが、予期しない急な人員増が発生することは通常の企業活動では考えにくいです。急な人員増が発生することは、当初計画にはなかった売上が発生する、予見していた工数が見誤り急遽人手を増やすなど、いずれにしてもイレギュラーな動きです。

ほとんどの企業では年間の予算、売上目標を策定し、そのために必要な人材募集や設備投資を行います。もちろん、計画通りにいかないことが往々にあり、予算は途中で修正されることもありますが、原則は、計画に対しての達成度から業績評価を行うことが一般的です。

そう考えれば、PC資産やライセンスが「安かったから購入」ということはせず、しかも人員が増えることがわかっていれば、ある程度決まった周期で購入することが可能なはずです。例えば、大学新卒が入社する前の3月、決算を迎えて来期の事業計画が決まり人員の増員計画が決定する時期などです。

PCやライセンスを購入する時期がある程度固まっていれば、経年による交換や大幅なライセンス入替・更新も計画的に実施できます。もし、これが既に現状バラバラな状態であれば、まずはIT資産の導入周期を定期的に定める、理想的には年1~2回に出来るようにしてみましょう。

「絶対にそのタイミングでしかIT資産を購入してはいけない」ということではなく、事業をする中ではどうしてもイレギュラーは発生します。ただし、イレギュラー発生によって、後々の管理の手間や無駄が出ることを認識しつつ、あくまでも「通常の手続き」が存在して平常時はその周期に則って運用することを目指していきます。

法人ライセンス一括契約をするなら、早いほうが良い

いつ法人ライセンス契約をするかという点については、現状では「早ければ早いほうがいい」という結論になります。

現在は、MicrosoftはサブスクリプションであるMicrosoft365の展開を重点的に進め、買い切り版であるOffice2022やOffice2024はかなりの機能制限をしている状態です。単純な年数割であれば買い切り版のほうが一見安く見えますが、ちょっと高くてもMicrosoft365のほうが機能面の充実やセキュリティ面での安心感があります。

ただし、Microsoftの法人ライセンスの導入手続きを考えると、ある程度専属で動ける担当者がいないと立ち上げで混乱が生じる可能性があります。単なる手続きの問題ではなく、法人ライセンスの開始に当たっては、適切な人員配置や工数を確保して取り組む必要があります。

小規模であればMicrosoftから直接クレジットカード決済で法人ライセンスを申し込むことができます。

それなりの規模になる場合は、Microsoftの販売代理店を経由することで請求書払い(銀行振込)を行うことができます。販売代理店を経由する場合とMicrosoftとの直やり取りとでは、よほどの大規模でなければ金額自体の大差はないと考えてよいです。販売代理店によっては、その会社によるサポートサービスが付随する=支払う金額自体はライセンス単体よりも若干増えることが多いようです。

購入先を切り替えるきっかけとしては、コスト面の優位性ではなく、

  • 販売代理店のサポートが有用であること
  • 他案件でITベンダーと付き合いがあることによる乗り換え
  • クレジットカードの限度額に引っ掛かるため請求書払いに切り替えざるを得ないケース

などが相当します。

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    まとめ

    中小零細企業ではライセンス整理はIT管理者にとって非常に悩みの種であり、とげおネットでのサポートでも比較的大きな負担をお願いしてしまうケースもありますが、整理しておくことで長期的なメリットは確実にありますので、ある程度の計画や備えをしていただき、ご検討いただければ幸いです。

    Microsoftライセンスをはじめ、ITにまつわる不明点やお困りごとがありましたら、お気軽にとげおネットまでご相談くださいませ。

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