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「Windows11を実行するための最小システム要件を満たしていません」でもアップグレードする方法

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最小システム要件を満たしていません、とは?

Windows11へのアップグレードを試みたとき、「Windows11を実行するための最小システム要件を満たしていません」というメッセージが表示されるときがあります。

しかしこのメッセージが出てもインストールを続行できる場合があり、

  1. ハードウェアの制限でアップデート不可能なケース
  2. 設定やインストール方法次第で、制限を回避できるケース

後者はWindows11へのアップデートが可能です。

当記事では上記ケースの解説と、設定/アップデート方法について図解入りで解説します。古いパソコンに止むを得ずWindows11を入れて対応したい方は、参考になさってください。

今回ご紹介する方法はMicrosoftの公式ページに掲載された情報を基にしていますが、推奨されている方法ではありません。リスクを前提のうえ、自己責任にてご対応ください。

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Windows10のまま使い続けることには何の問題もない

まずはご安心ください。Windows10のままで使い続けることには何の問題もありません。Windows10は2025年10月14日まで引き続き、Microsoftのサポートがあります。

(参考)2025 年のサポート終了(Microsoft)

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どうしてもWindows11にアップデートできないケース

Windows11にアップデート可能なハードウェア要件は、Microsoftの公式ページに記載されています。

(参考)Windows 11 の仕様、機能、コンピューターの要件を確認する(Microsoft)

このなかでWindows11へアップデートできないのは、以下2とおりのケースです。

  • CPUが32ビットの場合
  • セキュアブートに対応していない場合

いずれも非常に古いパソコンの場合になります。

メモリやHDD容量など、ハードウェア要件が比較的厳しくない項目については、本記事では割愛いたします。

CPUが32bitの場合:Windows11が動作しない

Windows11は32bitCPUで動作するようできていないため、アップデートできません。32bitCPUがサポートされるのは、Windows10までです。

▼Windowsにおける32bit、64bitの違いについては、下記の記事をご参考ください。

Windows 32bitと62bitの違いと確認方法
自分のPCのバージョン、エディションを調べた時に、bitという表記があることに気づいた人はいますか?今回はこのbitの意味や定義などについて解説をしています。ただの単位だと捉えてるよりも、意味を把握しておいた方がよりPCの理解が深まるはずです。

もっとも64bitのCPUが市場のメインになり、10年以上が経ちます。32bitCPUは現在、皆様の身近にはまず無いものと思っていただいて大丈夫です。

セキュアブートに対応していない場合:アップデートチェックを回避できない

セキュアブートとはハードウェアがセキュリティ面で安全に起動するよう、PC起動時に周辺機器などをチェックする仕組みです。

通常は古いパソコンでも、設定を変更すればセキュアブートに対応可能です。しかしまれに古いPCでは、BIOSがセキュアブートに対応していない(Secure Bootの設定項目がない)ケースがあります。この場合、Windows11へアップデートできません。

《BIOSとは》
「Basic Input Output System」の略で、電源を入れるとWindowsよりも先に起動し、OSや周辺機器の起動を司るシステムです。PCの電源を入れてすぐ「F2」や「F12」、「DEL」キーなどを連打すると、BIOSを表示できます(※PCにより連打するキーが違います)。

セキュアブートを利用するには、BIOSのより新しい規格「UEFI」の利用が必須要件です。

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設定次第でWindows11にアップデートできるケース

インストール要件を満たしていなくても、Windows11にアップデートできるケースは以下の2とおりです。

  • Windows11でサポートされていないCPU(ただし64bitCPUに限る)
  • TPM2.0(最新セキュリティ機能の提供に特化したPCパーツ)が搭載されていない

▼CPU要件の詳細については、下記の記事をご参考ください。

Windows11が動くCPUのスペック(仕様)要件について
Windows11には64bitCPUが必要となり、今まで対応していた32bitCPUには非対応となりました。この記事ではWindows11に対応したCPUを見分ける方法について解説しました。Windows11へアップデートを考えていらっしゃる方はぜひお読みください。

BTOパソコンの場合、TPM2.0が搭載されていてもUEFI(BIOS)で無効に設定されているケースがあり、有効にすればWindows11をインストール可能です。

TPM2.0が有効になっているかどうかはメーカーや機種、発売時期により異なるため、各メーカのサイト等を参考になさってください。

アップデート手順の概要

上記2つのケースについて、チェックを回避し第6世代以前の古いPCにインストールする方法をMicrosoftは公開しています。マイクロソフト社の公式情報は以下のページ(英語)です。中段のWarning部分に記載されています。

自己責任で実行ください、とのことですのでお気を付けください。

Ways to install Windows 11(Microsoft)

上記ページの変更を実際に適用するには、以下のような手順で進めていきます。

  1. Microsoftの公式サイトから、Windows11のISOイメージをダウンロード
  2. レジストリに設定を追加(Microsoftで公開されている情報のとおり)
  3. 1.でダウンロードしたISOイメージ内からアップデータを実行する

アップデートの手順中に、公式サイトからダウンロードをおこなう場面が多くあります。通信環境の良い場所で、時間に余裕を持っての作業がおすすめです。

※レジストリの編集に失敗すると、パソコンが再起動しなくなる可能性があります。PC操作が不安な場合は、パソコンに詳しい方に対応していただいてください。

1.Microsoftの公式サイトから、Windows11のISOイメージをダウンロード

ソフトウェア要件を回避してWindows11にアップデートするには、Windows11のISOイメージ(インストールディスクのデータ)が必要です。

下記のMicrosoft公式サイト中段「Windows 11 ディスク イメージ (ISO) をダウンロードする」から、ISOイメージをダウンロードしてください。

Windows 11 をダウンロードする(Microsoft)

Windows11 ISOイメージ ダウンロード

ネットワークの環境により、ダウンロードに1時間以上かかる場合もあるようです。ダウンロードしている間に、次章の設定をおこなってください。

「Windows11 インストールアシスタント」や、Windows10の「設定」→「Windows Update」からのアップデートはできません。必要要件がスキップされず、手順が先に進まなくなります。

2.レジストリに設定を追加する

ここから先は必要要件のチェックをスキップするためにレジストリを編集し、以下の設定を追加する作業になります。

《レジストリへの設定値》
キー名:
[HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\Setup\MoSetup]
DWORD値(32bit):「AllowUpgradesWithUnsupportedTPMOrCPU」を新規作成し、「1」を設定

以下、具体的な手順を図解入りで解説します。レジストリエディターの操作に詳しい方は、上記設定値をもとに作業をおこない次の章にお進みください。

まずはレジストリエディタを開きます。

Windows10 レジストリエディタ 起動

タスクバーの検索窓に「regedit」と入力し、表示された「レジストリエディタ」を選択します。

Windows10 レジストリエディタ 閲覧

左側のフォルダが並んでいる画面から「HKEY_LOCAL_MACHINE」→「SYSTEM」→「Setup」→「MoSetup」の順番に開いていきます。

Windows10 レジストリエディタ キー 作成

MoSetup」まで開いたら、画面右側で右クリックし「新規」→「DWORD(32ビット)値」を選択します。これがキーの作成です。

Windows10 レジストリエディタ キー リネーム

作成したキーの名前を「AllowUpgradesWithUnsupportedTPMOrCPU」に変更します。

Windows10 レジストリエディタ  値 設定

AllowUpgradesWithUnsupportedTPMOrCPU」キーをダブルクリックして開き、値のデータに「1」を入力したのち「OK」ボタンを押します。

以上でレジストリの編集作業は終了です。

3.ISOイメージからインストーラーを実行する

ダウンロードしたISOイメージのファイル(拡張子が「.iso」となっているファイル)をダブルクリックし実行してください。

自動的に仮想ドライブ(この図では「D:」ドライブ)が生成され、フォルダが開きます。フォルダ内にある「setup.exe」をダブルクリックし、実行するとインストール開始です。

Windows11 ISOイメージ インストール

4.ウイザードを進め、インストールする

Windows11のインストールウィザード画面が開きます。「次へ」ボタンを押してください。

Windows インストールウィザード 起動

「適用される通知とライセンス条項」画面右下「同意する」ボタンを押します。

Windows インストールウィザード 同意

更新プログラムをダウンロードしています」という画面が開きます。場合によっては数分~数十分時間がかかりますのでお待ちください。

Windows 更新プログラム ダウンロード

ダウンロードが終わると「次の作業が必要です」という画面が開き、以下の文言が表示されます。

このPCは、Windows11を実行するための最小システム要件を満たしていません。これらの要件は、より信頼性の高い高品質なエクスペリエンスを実現するのに役立ちます。このPCにWindows11をインストールすることはお勧めできません。互換性の問題が発生する可能性があります。Windows11のインストールを続行すると、お使いのPCはサポートされなくなり、更新プログラムを受け取る権利がなくなります。互換性がないことによるPCの損害は、製造元の補償の対象ではありません。[承諾]を選択すると、このステートメントを読み、理解したことを確認したことになります。

インストール要件を満たしていないPCでWindows11へアップデートすると、Microsoftやパソコンの製造元からのサポート・補償は受けられません。よく読んでリスクをご確認のうえ、文言横の「承諾」ボタンを押してください。

次画面でインストール準備が完了です。「次へ」ボタンを押すと、Windows11のインストールが始まります。

Windows11 アップグレード 準備 完了

アップグレードが開始されます。終了するまでの時間はマシンスペックやディスクの種類、速度により違いがあります。

Windows11 アップグレード 開始

インストール直前の画面で「引き継ぐものを変更」リンクを選択すると、以下3とおりが選択可能です。

  • 個人用ファイルとアプリを引き継ぐ
  • 個人用ファイルのみを引き継ぐ
  • 何もしない

Windows11 アップデート 引き継ぎ

何もなければリンクを開かず「個人用ファイルとアプリを引き継ぐ」のままにしておくのがお勧めです。

「個人用ファイルを引き継ぐ」のみの場合インストールされているアプリや設定が削除され、「何もしない」を選択するとOS以外の全てが削除されます。

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参考:CドライブはHDDではなくSSDを推奨

HDDモデルのPCをお使いでWindows11にアップグレードされたい方は、SSDへの換装(入れ替え)がおすすめです。

最近販売されているWindowsパソコンのCドライブは、SSDのモデルが主流となっており、HDDモデルは少なくなってきています。

一方で一昔前のパソコンはHDDが主流でしたが、Microsoft社はWindows11ではCドライブにSSDの利用を推奨しているようです。以下はGIGAZINEの記事になります。

Microsoft社がPCメーカーにSSDを搭載するように要求か、切り替え期限は2023年(GIGAZINE)

実際に弊社のお客様で、HDDモデルからWindows11にアップグレードした方もいらっしゃいますが、Windows10の時よりも遅くなる・フリーズするなどの不具合も頻発し、非常に使いづらいという意見が良く聞かれました。

Windows11でHDDモデルPCが遅くなる?Windows10からのアップグレードで注意!
Windows11をHDDで動作しているPCで、HDDの大幅な劣化や故障、動作不良を起こしているケースがみられるようです。Windows11とHDD・SSDに関する情報や、Windows11の切り替えに当たってのストレージ選定に関する情報を取りまとめています。

▼HDDからSSDへの換装方法は、以下の記事を参照ください。必要な機材や接続方法を、実際の写真入りで解説しています。

超簡単!古い遅いパソコンをHDDからSSDに入れ替えて高速で快適に使う方法
古くて速度が遅いパソコンのHDDをSSDに入れ替え設定することで、高速で快適なパソコンに変わります。入れ替え作業「換装」の方法に必要な物、実際に交換する方法までまとめてあります。古いパソコンのHDDを交換し快適なパソコンライフを送りましょう。

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    まとめ

    このPCは現在、「Windows11を実行するための最小システム要件を満たしていません」と表示されてしまったときの対応方法をまとめました。

    Windows11ではWindows10と比べ、必要要件が格段に厳しくなりました。Microsoftではこの要件を緩める予定は今のところないようで、普通の方法でアップグレードを試みるとチェックがかかります。

    今回ご紹介した回避方法は、Microsoftの公式サイトに掲載されているものです。しかしこの方法は推奨されていないため、アップデートを適用した後はMicrosoftのサポートは受けられなくなることにご留意ください。

    また今回アップグレードできても、年に一度の大型アップデート時には、再度インストール要件のチェックが入ることも判明しています。ハードウェアの買い換え時期も想定し、限定的な利用としたほうが良さそうです。

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