メッシュ(Wifi)とは複数のアクセスポイント(Wifiルータ)同士でWifi無線通信の経路を補い合って一つの無線Wifiネットワークを構成する仕組みです。ここ数年で急速に広まってきました。
メッシュWifiの特徴や機能、メリット、デメリット、よくある質問や事例についてまとめました。
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電波には届く範囲に限界がある!
スマートフォンやPC、ゲーム機など、今や欠かすことができない無線Wifi。利用されている方も多いと思います。
一つのWifiルーターから近い距離で使う分には、特に難しいことはありませんが、電波が届く範囲には限界があります。電波を阻害するような状態だと、電波が弱くなり、結果としてインターネットの表示が重たくなったり、動画の場合は途切れ途切れになったり、場合によっては通信そのものができなくなることがあります。
これからWifiルーターを購入しようとしている場合、以下のような場所がある方は、Wifi電波が届きにくい場所が発生する可能性があります。
- Wifiを利用する場所が、直線距離で10m以上離れている
- Wifiを設置している部屋が壁で囲われている(目視で見えない位置にある)
- Wifiを設置している部屋と階が異なる
- 建物が鉄筋コンクリート製である
いずれも、Wifiルーターに近づくことができれば電波は改善されますが、使いたい場所で自由にインターネットができることが、無線Wifiの最大のメリットです。できることなら、どの場所のどの部屋からも自由にアクセスできるようにしたいものです。
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無線LANを拡張するのは難しい…
電波が届きにくい環境から改善したいとなった場合、途端に難易度が高くなるのが無線Wifiの特徴です。無線Wifiの改善をするためには、簡単には以下の方法がありますが、それぞれにメリットデメリットがあります。
より強い電波Wifi6に対応した高性能無線ルーターに置き換える
無線LANルーターにはいろいろな種類があり、値段もかなり差があります。そのうち値段の高いルーターの特徴としては、立派なアンテナをこしらえて、強力な電波を発することで無線通信そのものを強くする方法です。そのほかにも様々なWifiを安定させるための様々な機能を積んだモデルが多く存在しますが、かなり手っ取り早い方法の一つではあります。
無線LANルーターの技術は日々進歩しており、性能も常に向上していますので、数年前の機器からの買い替えであれば、純粋に性能向上が体感できる場合もあります。
もちろん、この場合は既存の無線ルーターは使えなくなりますので、新たに無線ルーターと、利用する機器の設定変更が必要です。
無線ルーターを新規に追加する
最新機種はさすがに値段も高く、まだ今使っている無線ルーターも良好に動いているので、買い替えるのは…という場合は、電波の届きにくいところに新たに無線ルーターを追加する、という方法もあります。
ただし、単純にこの方法の場合は、既存の無線LANルーターと無線でつなぐことはできないため、追加した無線LANまで有線LANを引っ張ってくるという、かなりの力技になります。
終端装置(ONU,インターネットルーターなど)が複数ポートを持っている場合は、新しい無線LANを有線でつなぎ、新しい無線Wifiネットワークを作成します。
終端装置に複数ポートがない場合や、既存の無線LANがインターネットルーターの役割を果たしている場合は、ルーターの空きポートから新設の無線LANにつないで、新しい無線Wifiネットワークを作成します。
どちらの方法の場合も、デフォルトの設定のままでは正しく動作しない場合があり、通常とは異なる手順で、詳細なネットワーク設定を行う必要があります(ルーターモード・APモードの切り替えや、ネットワークの範囲指定など)。SSIDは異なる値に設定しなければならないため、追加した無線LANルーターと使用する機器とで、新しい設定をしなければならない手間は当然発生します。
無線LAN中継器を購入する
もう少し手間をかけない方法としては、現在資料している無線LANに対応した、無線LAN中継器を購入するというものです。無線LAN中継器はセットアップが非常にシンプルで、多くの場合ワンタッチで設定し、電波の弱くなりそうな場所に設置することで、現在の無線LANの設定(SSID)そのままで利用することができます。コンセント型など、設置にも困らない、コンパクトなサイズで提供していることが多いです。
注意点としては、中継器は、同じメーカーの対応する無線LANでなければならないこと、また、同じメーカーでも対象機器ではない中継器を購入してしまうと使用できない場合があります。また、あくまでもメインの親機あっての中継器のため、親機が故障してしまうと、他の中継器も使えなくなりますし、中継器専用のシンプルなモデルの場合は親機がいなくなってしまったら中継器も含めてすべて使えなくなってしまう可能性があります。
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このように、無線LANは拡張するという点においてはかなりハードルが高い状態です。
この長年の無線LANの課題を解決する一つの方法が、メッシュWifiと呼ばれる技術です。
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メッシュWifiによるメリット
Wifiの拡張は難しいという点を前項で述べましたが、これらの改善する技術としてメッシュWifiが誕生しました。これまでの無線LAN構築と異なるいくつかのメリットが存在します。
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各アクセスポイント(AP)まで有線LANケーブル配線工事が不要
各AP同士は無線Wifiを使って通信可能になっていますので電源さえ確保できれば有線LANケーブルの配線工事がいらなくなります。
ただし無線Wifiだけでネットワークを構成する場合はその配置に注意が必要なこと、通信が不安定になりがちなこと、またトラブルが発生したときに原因がはっきりしなくなりその解消が難しくなるケースがあります。
そのため配線工事が不要といえども出来る限り配線工事をされた方が良いでしょう。
標準規格化により、異なるモデル・メーカーでも対応可能
メッシュWifiがもっとも大きいのは、これまでWifi中継器で利用していた技術はメーカー独自の方式で、異なるメーカーや、同じメーカーでも時期が違う異なるモデルの場合は相互に中継器となることができませんでした。メッシュWifiは、業界団体「Wifi-Alliance」が定める「Wi-Fi EasyMesh(イージーメッシュ)」に基づいていることで、同じメーカーはもちろん、規格が一致する異なるメーカーの無線LAN装置も中継器となり得ることとなりました。
ただし現実問題として、まだ成熟していない分野のため、異なるメーカーによるメッシュWifiの構築には問題が発生する可能性もあります。ネットワークに詳しくない場合や、トラブルシューティングが苦手な場合は、あくまでメーカーは統一したほうが無難です。今後、メッシュWifiが普及し、機能も安定するようになれば、メーカーや対応モデルに悩むことなく、自由に組み合わせてメッシュWifiを構築できるようになると思われます。
同じSSIDで最適な接続環境を自動選択
Wifi中継器の場合、時折、最寄りの中継器ではない、電波の弱いほうのWifiルーターを参照してしまう事があります。また、部屋を移動して、近場に電波が強いWifiルーターがいるはずなのに、移動する前のWifiと接続したまま、電波が弱かったり接続が切断されたりなどして、再度Wifiをつなぎ直すといった事象も良く発生します。
メッシュWifiはこの接続不具合も改善されており、端末は適切なSSIDとメッシュWifi機器を特定し、常に最善の受信ができるように自動で接続を管理します。
また、メッシュWifiを構成する端末のうち、中心となる機器(コントローラー)以外がなんらかで故障し、最寄りの機器で通信できない場合であっても、残った機器でより最善なネットワークを自動選択することで通信を安定させるように機能します。多くの場合、この切替は非常にシームレスに行われ、端末の利用にはほとんど影響を出しません。
故障発生時の端末交換が容易、スマートフォンアプリのセットアップ
メッシュWifiを構成する端末はそれぞれが単体でフル機能をもつ無線LANルーターである場合が多いです。インターネットと直接通信する中心の端末(コントローラー)が万が一故障してしまっても、メッシュWifiを構成している端末であれば、コントローラーの役割を与え、インターネットと接続している有線LANをつなげば、また無線LANを構成することが可能です。また、機器を追加するのも簡単な手順で追加できます。
メッシュWifiが利用可能な機器はスマートフォンに最適化されていることが多く、最初のセットアップはPCを用意して有線LANをつないで…という手間はなく、無料のスマートフォンアプリから簡単にセットアップできるようになっていることが多いです。もちろん従来のルーターで実装しているようなルーター機能もほぼカバーしています。
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メッシュWifiによるデメリット
値段が高いなりがち
一般的に通常のWifiルータと比べると値段が高いことが多いです。
また規格が標準化されつつあるとはいえまだまだ同じメーカー、同じ機種で統一して使用することをお勧めします。そのため増設する場合も同じ機種を探したりする必要があり取り寄せるのに苦労するかもしれません。
不安定で遅い場合などのトラブル時の切り分けが難しい
メッシュWifiルータの配置が良くない場合など不安定で遅くなるケースもあるのですが、Wifiルータ同士で連結しあいながら通信をするため原因の特定が難しくなる傾向にあります。メリットの章でも説明しましたがアクセスポイント同士は有線LANケーブルでつないだ方が安定的です。
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メッシュWifiのその他のよくある質問
Q.メッシュWifiは古いモバイル機器にも対応していますか?
A.Wifiが可能な端末なら、古い端末でも問題なく利用できます。ただし、自動で接続先を調整する機能に反応しない場合があるため、Wifi電波が弱いと感じたら一度端末側のWifiを再接続すると改善します。
Q.メッシュWifiでオンラインゲームや、動画・web会議をすることは可能ですか?
A.オンラインゲームや動画閲覧をすること自体は可能ですが、メッシュWifiの場合、通信速度よりも安定接続を重視するため、通信遅延等が発生する場合があります。web会議における遅延はそれほど影響はないと思われますが、リアルタイムで応答性を求められるオンラインゲームには不向きな場合があります。
Q.メーカーによって用語が違う気がするのですが?
A.メッシュWifiを構成する要素の用語は、現状メーカーによってばらつきがあるようです。基本の考え方として、有線インターネットがつながった中心となる装置が1台(コントローラー、メインハブ、メインルーター等)、それ以外の通信を支援する複数台の装置(エージェント、ノード、サテライト等)の2種類が稼働している、という理解で問題ありません。中心となる装置は、メッシュWifi内に1台しか存在することができません。
Q.会社でメッシュWifiを導入しても問題ないですか?
A.問題はありません。メッシュWifi同士は暗号化し通信しており高いセキュリティも維持しています。しかし、企業用無線ルーターで設定できるような高度な管理設定、VPNなどの特殊な設定ができない場合もあるため、これらの要件に不足がないことを導入前に確認する必要があります。
Q.インターネットをつながないネットワークも構築可能ですか?
A.外部に通信しないイントラネット的な使用をすることも可能ですが、その場合、IPアドレスを固定化するなどネットワークの基本的な構築知識が必要となります。また、インターネットにつながっていないとファームウェアアップデートやウイルス検出などの一部のセキュリティ機能が使えなくなることに注意が必要です。また、インターネットをつながない場合であっても、メインとなるルーターは1台しか指定することができません。
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メッシュWi-Fiに関するまとめ
メッシュWifiの簡単な仕組みやメリットについてご理解いただけたでしょうか?無線LANは今後も利便性や安全性にむけて日々進化し続けていますので、ぜひとも最新の情報に触れ、より便利なIT機器の運用を推進していただければと思います。
導入をお考えでしたらぜひお気軽にお問合せください。
またネットワーク設定やトラブル対応に関する記事を以下にまとめましたので併せてご参考ください。
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