インターネットをもっともっと速くしたいと思って最新で高速なWi-Fi6対応、Wi-Fi6E対応のWi-Fiルーターを導入したのに全然速くならない、という問い合わせをいただくことがよくあります。
この記事ではWi-Fi6、Wi-Fi6E対応の高速アクセスポイント導入の進め方と注意点についてまとめました。とげおネットでは社内ネットワークやアクセスポイントの支援を行っておりますので、導入は難しくありません。しかしながら、高速アクセスポイントの導入には専門的な知識があったほうが、導入しやすいシーンがあります。この記事ではWi-Fi 6とWi-Fi 6Eを導入した際のメリットや導入方法についてまとめました。
すでに無線環境を構築したことがある企業や個人にとっては難しく無いかもしれませんが、初めて設定する人にとっては暗号を解くような感覚かもしれません。どのように進めていけばいいか迷っている人は参考にしてください。
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Wi-Fi 6とWi-Fi 6Eとは?
Wi-Fi 6とWi-Fi 6Eは、IEEE 802.11axに基づく無線通信規格です。Wi-Fi 6は2018年末頃に対応ルーターが国内でも登場し、2.4GHz帯と5GHz帯を利用することでWi-Fi 5(IEEE 802.11ac)に比べて高速な通信が可能です。一方、Wi-Fi 6Eは2.4GHz帯と5GHz帯に加えて、6GHz帯を利用することで、Wi-Fi 6よりも大容量の通信が可能になりました。帯域幅は道路の車線の数をイメージするとわかりやすいかもしれません。車線が多いほど、多くの車が流れていけます。同じように帯域幅が大きいほど通信量を増やせます。Wi-Fi 6Eは、周波数帯域幅が5,925〜7,125MHzと広く確保されているため、より多くのデバイスが同時に接続できます。
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Wi-Fi 6、Wi-Fi 6E対応の高速無線LANの導入方法
Wi-Fi 6、Wi-Fi 6E対応の高速アクセスポイントを導入する流れを解説します。
導入前に考慮すべき通信環境の確認
Wi-Fi 6、Wi-Fi 6Eを導入する前には、通信環境を事前に確認する必要があります。まず、6GHzの周波数帯は壁や障害物などの影響を受けやすく、回り込めない特徴があります。そのため、Wi-Fi 6E対応ルーターと端末の使用場所の間に干渉してしまうものがないか確認します。干渉する場合には、ルーターや端末の場所を変えてみるか、中継機を検討すると良いでしょう。
Wi-Fi 6、Wi-Fi 6Eに対応したパソコンの調達
また、ルーターだけがWi-Fi 6Eに対応していても、使うことはできません。ネットワークを利用する側のパソコンもWi-Fi 6Eに対応していることを確認しましょう。2021年後半以降のハイエンドのスマートフォンやノートパソコンの場合、受信機能はすでに搭載されている可能性があります。ただし、ドライバレベルで制限されていることがあるため、アップデートが必要な場合があります。
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Wi-Fi 6、Wi-Fi 6E対応の高速無線LAN導入時の注意点
Wi-Fi 6、Wi-Fi 6Eの高速アクセスポイントを導入する際の注意点を解説します。
セキュリティ対策の強化
Wi-Fi 6、Wi-Fi 6E環境においては、セキュリティ対策が必要です。Wi-Fi 6以降ではWPA3という暗号化技術が使えるようになりました。以前までの暗号化技術よりも複雑な暗号化を施す事ができます。基本的に利用開始時には一番暗号化能力の高いものが使われますが、WPA3になっているかどうかを確認しましょう。
対応機器の価格が高額になりがち
最新規格を利用できる機器も最新のものがほとんどです。そのため、機器の価格は高いものが多いです。ルーターは安くても2万円~5万円、高いものだと20~30万円もします。ノートパソコンやスマートフォンはWi-Fi 6Eに対応しているものでも安いものの高いものもあります。使用する環境や人数などに応じて、十分なスペックの端末を購入します。
ネットワーク管理の重要性
Wi-Fi 6、Wi-Fi 6E環境を導入する企業の場合、ネットワーク管理の重要性が高まります。例えば、Wi-Fi 6、Wi-Fi 6E環境に対応した端末が増える場合には、ネットワーク管理者が管理するデバイスの数も増加するため、管理の煩雑化が予想されます。そのため、ネットワーク管理の効率化を図るためには、適切なツールやシステムを導入することが重要です。また、適切な監視やメンテナンスを行うことで、ネットワークの安定性を保つことができます。
高速化するためには適切な設定が必要
Wi-Fi6,Wi-Fi6Eで高速の通信を実現するためには様々な技術と組み合わせて実現する必要があります。
Wi-Fi5と比べると「新しい端末だと速くなるが古い端末の場合Wi-Fi5の時よりも遅くなる、つながらない」現象が起こりやすいです。対応している無線規格をAP側、端末(PC,スマホ)側とも揃えた方が良く、端末状況によっては敢えてWi-Fi5対応アクセスポイントでWi-Fiを構築した方が良いことがあります。
また高速通信のために注意しておく技術がいくつかあります。どの技術に対応しているかアクセスポイントによって異なりますので購入前にはご注意ください。
メッシュWi-Fi
複数のアクセスポイント同士でWi-Fi無線通信の経路を補い合って一つの無線Wi-Fiネットワークを構成する仕組みです。後述のデュアルバンド、トライバンドなどと組み合わせるとより高速で通信を行うことが可能です。
詳しくは以下のページをご参考ください。
デュアルバンド、トライバンド、クワッドバンド
Wi-Fi通信のために2つの周波数帯を同時に利用する方式を「デュアルバンド」と言います。同じように3つの周波数帯を同時利用するものを「トライバンド」と言います。
これは弊社の体感ですが、トライバンド(2.4GHz帯と5GHz帯2本の計3帯域を同時に使う)の設定をするようにしたところ有線とほぼ変わらないスピードが出るようになることが多いです。
最近ではWi-Fi6, Wi-Fi6Eが出てきたためクワッドバンド(計4帯域)対応のアクセスポイントも発売開始されています。
もちろん端末側でもそれぞれのWi-Fi規格に対応している必要があり、6GHz帯に対応していない端末では6GHz帯の通信はできませんのでご注意ください。
電波利用の法的な制限:DFS
日本国内ではWi-Fiを利用する場合電波法により特定の周波数帯(チャンネル)の利用に関して制限があります。これは気象レーダー等が同じチャンネルを利用することがあるためです。特に屋外でWi-Fiルーターを使用する場合、電波干渉を起こさないかを確認し、電波干渉を起こさないチャンネルを使ってWi-Fi電波を飛ばすための機能をDFS機能と言います。
電波干渉が疑われる場合は特定の周波数帯を避けてWi-Fi設定をする方が安定して通信ができるでしょう。実際にDFSに関わるチャンネルを使わないように設定できるアクセスポイントがあります(ただしデメリットとして速度が少し落ちます)
実際に某空港施設内にアクセスポイントを設置した時には頻繁にWi-Fiが切れてしまうため電波干渉が起きないように特定の周波数帯に固定してWi-Fiを設定する案件がありました。
ハンドステアリング機能
接続するWi-Fiの周波数帯を自動で切り替え、快適性を向上してくれる機能ですが、切り替える時に瞬断したり、意図せず遅い通信速度で通信する状態になってしまう可能性があります。オフィスの広さによってはアクセスポイントを複数台準備するなどしてアクセスポイント1台あたりの接続台数には余裕を持つようにすることをお勧めします。
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Wi-Fi 6、Wi-Fi 6E対応の高速アクセスポイント導入のメリット
次はWi-Fi 6、Wi-Fi 6E対応の高速アクセスポイントを導入した際のメリットを解説します。
高速化による利便性の向上
Wi-Fi 6、Wi-Fi 6Eに対応した高速アクセスポイントを導入することで、従来のWi-Fi 5、IEEE 802.11acよりも高速な通信が可能になります。そのため、ビジネスシーンでは、ファイルのアップロードやダウンロード、ビデオ会議などの高速通信がスムーズに行えるようになり、生産性の向上に繋がります。また、プライベートな使用シーンにおいても、ストリーミングやオンラインゲームなどの高速通信が快適に行えるようになり、利便性の向上に繋がります。
複数の端末が同時に接続可能
従来のWi-Fi 5、IEEE 802.11ac環境では、複数の端末が同時に接続すると通信速度が低下する場合がありましたが、Wi-Fi 6Eの2.4GHz+5GHz+6GHz環境では、同時接続数が増えても通信速度が維持されます。そのため、家庭内やオフィス内などで、複数の端末を使用する場合にも、通信速度の低下を気にすることなく、快適な通信を行うことができます。
スマートホームやIoTデバイスとの連携が容易になる
近年では、スマートホームやIoTデバイスが普及してきています。Wi-Fi 6、Wi-Fi 6Eに対応した高速アクセスポイントを導入することで、これらのデバイスとの連携が容易になります。例えば、スマートスピーカーの音声認識や、センサー情報の収集などがよりスムーズに行えるようになります。また、スマートホームやIoTデバイスが増えた場合でも、複数のデバイスを同時に接続することができるため、快適な通信が可能になります。
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まとめ
Wi-Fi 6、Wi-Fi 6E対応の高速アクセスポイントの導入や進め方について解説しました。WI-FI 6Eは通信環境の改善や利便性の向上に繋がる技術で、利用シーンが広がれば、より利便性の高い生活環境が整っていくかもしれません。しかし、導入にあたっては、十分な知識や技術が必要ですので、トラブルや不明点があれば、お気軽にお問合せください。
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