単純にネットワークスイッチと言っても、実に様々な用途と場所によって、そのパフォーマンスと機能が違ってきます。
ネットワークスイッチは、OSI参照モデルに基づき、大きく分けて３つの種類があります。
レイヤー１基準であれば、ハブやスイッチングハブが該当します。
スイッチングハブは、VLANやIPアドレスなどの「レイヤー２以上の機能を持たない」スイッチとなります。
レイヤー２基準においては、レイヤー２スイッチが代表格として挙げられます。
こちらのスイッチは「VLAN」「IPアドレス」「SNMP」「QoS」などの機能を持ちますが、ルーティング機能を持ちません。
さらにレイヤー３基準では、レイヤー３スイッチが挙げられます。
レイヤー3スイッチは、レイヤー２スイッチが持つ機能の他、ルーティング機能を持ち、中核ネットワークのコアスイッチとして活躍していたりもします。
ざっと、各レイヤー上のスイッチを解説してみましたが、それぞれのスイッチは役割ごとに独特の機能を持っています。
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インテリジェントスイッチとは
メーカーのカタログでもよく見かけるインテリジェントスイッチとは、いわゆる「VLANやIPアドレスを制御でき、その管理能力を持つ」スイッチのことを指します。
インテリジェントスイッチという呼称はメーカー用語であり、他ではマネージドスイッチと呼ばれたりしています。
これらのスイッチは、主にレイヤー2スイッチやレイヤー3スイッチのことを指しています。
近年良く耳にするようになったスマートスイッチとは、インテリジェントスイッチにWebUI機能が備わったものになります。
多くのスイッチでは、IPアドレスからブラウザでアクセスし、管理設定が出来るようになっています。
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また逆に、ノンインテリジェントスイッチやアンマネージドスイッチなどと呼ばれるスイッチは、スイッチングハブである、ということになります。
様々なメーカー用語が飛び交っていると、なんだかややこしいですね。
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中核ネットワーク機器のみが使用可能なスタック機能
インテリジェントスイッチも、グレードが上がると、スタック機能が付随するようになります。
スタック機能とは、例えば、2台以上のスイッチをSFPモジュールなどの超高速なインタフェースで繋ぎ、1台のスイッチとして見立てる技術です。
スタック機能を持つスイッチ群は「１台が故障やメンテナンスしても、通信を維持する」冗長性に優れており、「2本以上のケーブルを束ねる」リンクアグリゲーションとの合わせ技により「絶対に停止しない」ネットワークを構成することができます。
更に、スイッチ間を結ぶSFPモジュールがDACケーブルではなく、光ケーブルでも、スタックの導入が可能なため、「フロアを跨いで」「棟間を跨いで」のスタック構成が可能です。
これをバーチャルシャーシスタックと呼びまして、堅牢な冗長性と通信の最適化が行えることから、病院や大学設備での導入が積極的に進められています。
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LANケーブルに給電機能を持たせるPoE機能
数あるスイッチのバリエーションの中からPoE対応を謳うスイッチがあるかと思います。
PoE（Power Over Ethernet）とは、LANケーブルに給電機能を持たせるというものであり、これに繋がった端末は（PoE対応であれば）、別途電源を用意する必要がなくなります。
PoEは、IP電話機器や監視カメラ、無線LANのアクセスポイントなどで使用されており、いずれも「電源がない場所での活用が可能」なため、重宝されています。
なおPoE対応ハブを導入する時は最大電力に注意する必要があります。当然多くの機器、たくさんの機能を使おうと思えば思うほど供給電力を増やさないといけません。購入するPoE機器を間違えると電力不足で十分に動かないことが起こる可能性があります。
おおよその目安としてWi-Fi5対応アクセスポイントにはPoE+（IEEE802.at）が必要とされることが多く、一部のWi-Fi6対応アクセスポイントではさらに給電機能の優れたPoE++（IEEE802.bt）が必要になることもあります。ご注意ください。
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様々なネットワークスイッチ機器まとめ
ネットワークスイッチを大枠でジャンル分けすると、スイッチングハブ（ノンインテリジェント、アンマネージド）、L2スイッチ（インテリジェント、マネージド）、L3スイッチ（L2機能＋ルーティング機能）という形で分かれます。
また、ネットワークスイッチには様々な機能が存在し、現在のトレンドとして、複数台のスイッチを一つの仮想スイッチに仕立てる「スタック機能」、無線LAN等や監視カメラやIoT機器へ給電を行う「PoE機能」などがあります。
今後の展開として、次第にネットワークスイッチがCat6AやCat7等の10Gbpsに対応するようになってきました。
これに伴い、新たな、様々な機能が追加されていくことでしょう。
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